何も続かない日記

何かを続けるために書いています。

勝っているときしか応援できない

前の岡田監督時代の2008年頃、家族の影響で阪神タイガースを応援していた。その後だんだんと見なくなり、ここ十数年程はプロ野球に全く関心はなかったが、今年はその岡田監督が再任したということもあって、久しぶりに阪神をなんとなく応援しながらシーズンを通して見ていた。

今はオリックスとの日本シリーズの最中で、1試合目に山本を打ち崩して押せ押せムードが漂い始めたところ、2連敗して鼻っ柱をへし折られている。

応援しているとはいっても球場に足を運ぶことはおろか、テレビ中継すらほとんど見ていない。Sportsnaviで試合経過だけを何となく流し見して、勝った試合だけハイライトを確認するという、もはや応援と言えるのかわからない応援の仕方をしている。

スポーツに限らず誰かを応援したり推したりすると、異常に熱が入ってしまうというか、その対象に感情移入しすぎてしまう。阪神が勝った時はまるで自分自身が満員の甲子園のファンから賛辞を浴びているような気分になるし、負けた時は自分自身の人生が全否定されたような心地がする。

だから負けた試合のハイライトは意地でも見ないし、負けている試合は一応10分に一回ほどおそるおそる経過を確認するが、変わらず負けているとアプリを閉じる。大差をつけられた場合はアプリごと消す場合もある。あんな最悪の気分になるぐらいなら、見なかったことにする方がマシだからだ。で、阪神が奇跡の大逆転を成し遂げると喜々としてアプリを再ダウンロードし、公式がYoutubeにあげているハイライトを延々と繰り返し再生する。我ながら都合の良いファンだ。

阪神をシーズン通して応援し続けられたのも、そもそもチーム自体が強く、最終的にセ・リーグを優勝してくれたからであって、2位以下に終わっていればどこかで見るのをやめていたと思う。実際、交流戦からオールスター前までの少し負けが込んでいた時期には一旦プロ野球から離れており、興味すら失っていた。

芸人やVtuberYoutubeをよく見るのだが、いわゆる推しの動画や生配信を視聴しているときも同じような気持ちになる。

推しがスベっていると自分がスベっているかのような気持ちになっていたたまれなくなるし、推しの配信が盛り上がっていないと悲しくなって見るのをやめてしまう。

だったらその都度その都度今一番勢いのある対象を推しにすれば解決するのではないかとも思ったが、そう簡単に誰にでも感情移入ができるわけでもない。やっぱりここまで感情移入できたのには少なからず理由があって、少しずつ彼らを見ていくことで芽生えた感情ではあるので、一朝一夕に応援する対象を変えることはできない。だからこそ辛い。

彼らが負けているとき、くすぶっているとき、失敗しているとき、まるで自分が直接それらを感じているかのようにひどく萎えてしまう。なんで?って怒りすら覚えることもある。

そうやって心が乱されるのが嫌なので、負けている試合、同時接続がどんどん減っているような配信、明らかにウケていない漫才は途中でシャットアウトする。そうやって自分を守っている。

そういう場面でも推しの成功を願って前向きに応援できる人はすごいと思うし、そういう人は自分がダメなときでも前向きに歩いていける人なんだと思う。

人のことを応援できない自分は、たぶん自分のことも応援できない。