何も続かない日記

何かを続けるために書いています。

転職ギャンブル

転職を考え始めた。最近は空いた時間に仕事を探している。そこには決して褒められた理由などなく、こういう職に就きたいという確固たる志も特にない。今勤めている所も特に世間一般で言うブラック企業というわけではないし、社内でいじめられたり精神的に限界にきているわけでもない。

ただなんとなく転職したいだけだ。死ぬほどつらいわけではないが、この先もずっとこの職場にはいたくないと思う。うっすらと息が詰まるような、とはいえ気にならないと言えば気にならないような、つかみどころのない違和感を抱えながら生きているこの現状を、一度思い切ってひっくり返してみたいという情動に駆られている。

今の職場も前の職場もその前の職場も、その前のアルバイト先も、初めてのアルバイト先も、大学も高校も小学校の習い事も、人生の岐路に立たされたときはいつも大まかな指針を誰かに決めてもらって生きてきた。親に、祖母に、担任の先生に、部活の先輩に、転職エージェントの担当者に。

自分の人生を自分で決めて生きているという実感があまりに乏しく、何をしていても心が完全に晴れることがない。そんなモヤモヤした気持ちを自覚しながらもここまでのうのうと生きてこれたのは、人生の決定権や責任を誰かに押し付けることで得られる安楽に依存していたからで、今になって急に自分の意思を持とうとしているのは、おそらく年齢による焦りだ。そろそろ何とかしなければ取り返しのつかないことになるんじゃないかという、根拠のない焦り。年齢という数字の持つ印象はいつだって簡単には振り払えない。

それと同時に期待をしている。自分の意思で大きな決断を初めて下したときに、日常に充満しているこの得体の知れない澱みが、もしかしたら一編に払われるのではないかという期待。いささか楽観的かつ自暴自棄になっているかもしれない。そもそもこの澱みが自ら人生を選んでこなかったことに起因するものだという仮定が合っていればの話だ。

まあそう簡単に行かなかったとしても、自分が本当に選び取ったものに対して、自分はどう感じるのかを一度試してみたいという気持ちがある。結局は環境が変わっただけでこれまでの繰り返しになるのか、もしくはこれまでよりは前に進めるのか。最悪前者でもいい、とにかく答えが知りたい。ダメならダメで、そこからはどうにか自分を環境に適応させていく努力をしていくしかない。

こういう半ばやけくそのような気持ちだけで転職をしようとしている。褒められた理由などこれっぽっちもない、ギャンブルのような転職。大体のギャンブルにはビギナーズラックがあるらしいので、それを信じて突き進むことにする。差し当たっての問題としては、転職サイトを何ページ見漁っても自分にできそうな仕事が見つからないことと、まともな退職理由が思い浮かばないことだ。