何も続かない日記

何かを続けるために書いています。

他人を優先できる人

自分より他人を優先できる人に憧れる。他人を思える人、素敵だ。現実世界でどうかは分からないがフィクションの世界においてはそういう人が多く存在している。誰かを心から想える人、手を差し伸べられる人、そのために自分を犠牲にできる人。そういう人たちを自然と好きになってしまうし、彼らは作中でも誰かに好かれている。

フィクションの世界から離脱し、現実の自分自身に立ち返る。観終えた作品の余韻に浸ると共に、彼らの人生と自分の人生をいやでも比べてしまう。自分は人生で自分よりも誰かを優先したことがあっただろうか。おそらくそういう行動を取ったことはあるだろうが、その全ては自己保身によるものだったと思う。自分の世間体、プライドを守るために他人を優先しているふりをしているだけ。誰かの為に頑張っているふり、誰かを思っているふり、自分を犠牲にしているふり。自分がそんなだから周りの人の善意も頑張りも、どこかでふりではないかと勘繰ってしまう。

良い人になりたいが、良くない人でいることの快適さにあまりにも浸かってしまった。もしかしたらフィクションの中の彼らだって描かれていないだけで実際には素敵な人のふりをしているだけなのかもしれない。そう思って少し安心してしまううちは、彼らのようにはなれないだろうなと思った。